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読書感想文:村上龍著『コインロッカー・ベイビーズ』

心に残る本

村上龍著『コインロッカー・ベイビーズ』。

 

高校生の頃、暑い暑い夏休み、クーラーの効いた自宅で、だらだらと横になりながら何気なしに読み始めたのが、その本との出会いでした。


村上龍著の、コインロッカー・ベイビーズ


唐突もなく始まった物語の序盤から、退廃的で何もかもが歪んでいて、そして疾走するような本のストーリーに、本当に食事をとるのも忘れる程に、夢中になったのを今でも思い出します。


幼い頃に、それぞれにコインロッカーに捨てられていた行動的なキク、そしてあまりにも純粋な狂気を持つハシ。

 

それを読むなんでもない高校生の、ちっぽけな自分。


その時に本のページを捲りながら、何のドラマ性もない自分にもどかしさを感じて、泣きたいような気持ちになったこと。


そのすべてが合わさった空気を、今でも暑い日に突然思い出すことがあります。


作家、村上龍氏の本はその後もいくつか読ませていただいてますが、やはりここまでガツンと心に響いた本は、この本だけでした。


この本の特別な雰囲気とあわせて、きっと自分が、このまま何も成さぬまま大人になってしまうのではないかと、初めて焦りを覚えた事を、

 

今でも大切な想い出としてありありと本のページをめくるだけで思い出せるのが、私がこの本を好きな理由なんだと思います。